遠州役行者尊祭典ーえんしゅうえんのぎょうじゃそんさいてんー
起こり
お寺にある古文書には
『比叡山座主※智証大師(円珍)
により中興、比叡山別院として遠江を二分する勢力を有す(西暦883年)」という一文があります。
智証大師が役行者を篤く信仰していたことから考えて、
この時期より役行者尊をお祀りしていたと推測され、
その背景より「空を飛んだ釣鐘」伝説(西暦1037年)
につながるものと考えられます。
継がれてきた歴史
祭典の歴史は古く『空を飛んだ釣鐘』の御縁にて
大峰山より拝請した役行者尊を行者堂にお祀りして
約1000年を数えます。
また、お寺に保管されております古文書『遠州行者尊御伝記』によると、
御開帳の最古の記録は
西暦1788年(天明8年)まで遡ることができます。
遠州役行者尊御開帳の歴史
1788年(天明8年)
1821年(文政4年)
1854年(安政1年)
1887年(明治20年)
1920年(大正9年)
1953年(昭和28年)
1986年(昭和61年)
この長い月日の中で
この地域は何度も自然の脅威にさらされてきました。
記録に残る国内最大規模のものでは、
明応地震(1498年)、宝永地震(1707年)、
安政東海地震(1854年~60年)、
御開帳最古の記録である1788年には「天明の大飢饉(1782年~1788年)」などがあります。
昨今報道で知らされる自然の力は偶然なのではなく、
人間の歴史を鑑みれば必然であるのだと思われます。
その自然の姿に人が直面するとき、
人はただ手を合わせ神仏に祈りをささげてきたのではないでしょうか。
その幾千幾万の祈りこそが
祭典を営み続けてきた最大の理由であると思います。
未来に繋げる伝統
幻の名鐘「空を飛んだ釣鐘」の因縁により大峰山より勧請し
行者堂にお祀りする役行者尊の験力により、
地域の人々や参拝者の安寧を祈願し、
地区初盆を中心とした諸精霊への供養、被災地のより早い復興、
被災し亡くなられた方々への供養をする祭典として、
時代を超えて地域の人々の祈りの祭典として
現代にまで引き継がれております。
平安に生きた『役行者尊』の化身が
長福寺を訪れるまでの道中を再現した
『遠江行者道中』
曹洞宗最高のご祈祷である
『転読大般若祈祷』
と共に、修験道最高のご祈祷である
『採燈護摩供』
をお勤め致します。
御導師には、
長福寺より大峰山まで飛んだとされる
銘鐘『空を飛んだ釣鐘』をお祀りする
奈良県大峰山山頂の大峰山寺御住職を拝請し、
金峯山修験本宗の僧侶の皆様方のお力添えによりお勤めさせていただきます。
歴史ある郷土にて催される
歴史と伝説に彩られた祭典へ
多くの皆様のご参加をお待ちしております